当院の外来患者は、半数以上が他の病院からの紹介となっており、患者様は辛い症状や不安を抱えながら来院されます。外来スタッフは、そのような状況にある患者様に寄り添い、安心して検査を受けて頂き、より安全で質の高い治療を提供できるよう努力しております。
これからも外来は病院の窓口として、明るく優しい笑顔で患者様の声に耳を傾け、「この病院に来てよかった」と思っていただけるような環境作りを目指していきます。
若手からベテランまで前向きで明るく、元気な病棟です。
循環器内科は、心臓カテーテル検査・冠動脈形成術治療やカテーテルアブレーション・ペースメーカー植え込み術・重症心不全治療等を行っています。心臓血管外科は、主に弁膜症・冠動脈バイパス術・大血管手術を行っています。
患者さんが入院してから、治療(カテ室看護・周手術期看護・術後看護)・退院までのあらゆる時期の患者さんと関わっているため、それぞれの時期に合わせて安心して治療が受けれるよう医師・看護師・他部門で連携を図りながら、患者さん一人一人に合った看護が提供できるよう心掛けています。
療養病棟は、長期療養を目的とした患者様が入院されています。
温かい雰囲気の中で、心穏やかに、安心して療養できる環境作りを目指し、安全で、質の高い看護、介護の提供に努めております。
人工透析内科紹介
生活習慣病の発症率の高い沖縄県において、糖尿病や高血圧などが原因で腎不全に至り、透析治療を余儀なくされる人は増加の一途をたどっています。残念なことに糖尿病や高血圧が原因で慢性的に悪くなってしまった腎臓は元には戻せません。機能が低下した腎臓の替わりに透析治療、または腎臓移植が必要になります。一方では、幸いなことに日本の透析治療は世界でもトップレベルの治療成績を誇っています。最近は、十分な透析、十分な栄養補給、必要に応じた内服治療を行うことで、生活の質を保ちながらの治療成績向上を目指す方向へシフトしつつあります。これには透析時間、回数、ダイアライザー(透析膜)面積、血流量がカギになります。これからは単に生命を維持させるための短時間透析より、生命維持+生活の質を向上させるための効率の良い透析治療が重要と考えます。
循環器疾患専門病院としてのメリット
当院の特徴として循環器疾患の専門病院ということがあります。
2010年の日本透析医学会統計データでは透析患者の死因は心不全が一番多いという結果でした。心不全の原因としては、虚血性心疾患、心臓弁膜症、不整脈など様々でありますが、かかりつけの病院が循環器専門病院ということは心血管系合併症の割合が多い透析患者様にとって大きなメリットといえます。
その他、内シャントが狭くなった場合の風船治療(シャントPTA)や、内シャントの急な閉塞や内シャント造設が困難となった患者様の手術にも幅広く対応しております。
透析に伴う合併症
透析に伴う短期の合併症として多いのは、透析中や透析後の血圧低下や倦怠感、筋痙攣などですが、適正なドライウェイトを設定することで対応できることが実は多いのです。透析医は胸部レントゲン上の心胸郭比を測定することや体の浮腫や血圧などを総合的に見て、ドライウェイトを設定します。ただこの心胸比というのは呼吸の状態などの条件で結果が変化してしまうことがあります。場合によっては、実際は脱水状態なのに過剰な除水をして血圧が下がって辛い思いをしてしまうという事態になることもあります。そこで当院では身体組成分析装置という、微弱な電流を流すことで体の中の水分量や脂肪量、筋肉量などが測定できる装置を補助的に使うことでドライウェイトの設定に役立てています。その他、動脈硬化により下肢の血行が悪い方には人工炭酸泉装置による足浴を行います。より重症度の高い下肢の虚血にはLDLアフェレーシスという、LDLコレステロールを吸着する治療も行います。
血液透析はチーム医療
当院では透析専門の医師、看護師、臨床工学技士、栄養士、理学療法士、ケースワーカーなどの医療スタッフが連携をとりながら、現在の透析処方、シャントの状況、栄養状態、入退院の調整、リハビリテーションなどについて情報を共有し、それぞれの患者様に合った質の高い透析医療を提供したいと考えております。
臨時透析も随時受け入れ可能です。沖縄へお越しになる際にはぜひご利用ください。
検査室は常勤7名、パート1名体制(2023年10月時点)で、患者様から採取された血液や尿などを調べる検体検査と心電図や超音波など患者様の身体を直接調べる生理検査を行っています。特に超音波検査は予約なしでも即日対応可能で、ホルター心電図は記録器20台と充実しており、院内解析による迅速報告で患者様のサービス向上に努めています。また、各種学会や講習会、研修会等に積極的に参加し、知識や技術の習得に取り組んでいます。
検体検査
実施している検査項目は以下の通りです。
生理検査
当院では主に循環器領域の検査を行っています。
スタッフは理学療法士10名で、心大血管疾患(急性期病棟)、脳血管・運動器・呼吸器疾患(療養病棟)のリハビリを行っています。
一般病棟
狭心症、急性心筋梗塞、開心術後、大血管術後、大動脈解離、解離性大動脈瘤、慢性心不全、閉塞性動脈硬化症などで入院された患者様1人につき、週3~6回のリハビリを行っています。
(※時間・回数は個人により異なります。)
例:心臓手術後は、医師の指示の下、看護師、理学療法士が関わりながら活動の範囲を拡大し、歩行や自転車こぎなどの、有酸素運動を中心にリハビリを行います。
医師、看護師、薬剤師、理学療法士、栄養士など、多くの専門職が連携を取り合い、心臓病や生活習慣病の予防・治療を支援していきます。
療養病棟
療養病棟では、主に透析療養中の患者様1人につき週1~3回のリハビリを行います。
(※時間・回数は個人により異なります。)
筋力トレーニングや歩行練習など、個人に合わせたリハビリを行い、療養生活をより良く送れるよう支援していきます。
地域医療連携室では、患者さまに安心して病院を受診していただくことができるよう、地域の医療機関との連携を大切にし、患者さまと医療機関の窓口として業務を日々行っております。
主な業務内容
薬局では、医薬品に関する様々な業務を行っています。
医薬品の在庫管理・品質保持などの医薬品管理業務に始まり、医薬品に関する情報を収集・整理・評価し提供する医薬品情報業務、処方せんの監査・調剤業務、患者様に対して処方された薬の説明を行う服薬指導業務などです。
当院は外来処方も院内で対応しており、服薬指導などを通じて、入院中はもちろんのこと退院後の外来通院時まで、継続的なサポートが行えます。すべての業務において患者様が安全かつ安心して薬の治療が行えるように努めています。
当院の放射線科は、診療放射線技師6名 受付1名の計7名で勤務を行っております。
放射線による検査は医療の現場でとても重要な役割があり、病気の早期発見、診断に欠かすことのできない分野となっています。
我々、放射線科では、患者さんに少しでも安心して検査を受けられるように、スタッフ一同、”笑顔”での対応を心がけています。
主な放射線科での検査
臨床工学技士とは、医療技術の進歩により医療機器の高度化に対応する為、医学的な知識のみならず工学的な知識と技術を持つ専門の医療技術者が必要となり、1987年に誕生した比較的新しい資格です。医師以外の診療補助に従事するコメディカル職種の一つです。
臨床技術提供
医療機器保守管理
医療機器に関する教育及び技術の向上
新採用者・中途採用者の方々に対して医療機器に関する勉強会を始めとして、医療機器使用者に対する教育活動を行い、院内職員の技術向上に努めています。また、スタッフの技術水準の向上を目指し、各業務に関連した専門的技術に関する研修会などに参加しています。
アピールポイント
関連法規上の業務を多数実践しており、臨床工学技士が各業務をローテーションで行っています。
また、スタッフの大半が20歳代で構成されており、各々の年代で切磋琢磨しながら業務に対する技術、知識の向上を目指しております。
また、臨床工学技士の各業務に対する目標管理、業務力量調査を明確に行い、個人のキャリアアップサポートを充実させています。
最近はじめたこと、これから取り入れたいこと
透析療法認定士、呼吸療法認定士、体外循環認定士が在籍している為、認定士を中心に他職種と連携し、勉強会、委員会活動等の活性化を目指しております。
現在、管理栄養士4名で栄養管理に従事しています。
私達は病気の早期改善に向け栄養、食事の面から日々患者様をサポートしています。入院中は普段とは健康状態、生活環境が異なり、食欲がわかない事があります。そのため、こまめに病室へ伺い、患者様一人一人に合わせた安全で美味しい食事の相談や調整を行っています。また医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士など、多職種の専門職が連携を取りサポートを行っています。
給食管理は全面委託方式をとっており、給食管理(発注・調理業務・衛生管理)は委託業者によって行われています。患者様の病態に合わせた、安全で美味しい病院食の提供に努めています。
個別栄養相談
入院、外来患者様向けに主治医より個別栄養相談の依頼を受け行っています。
患者様の食習慣、生活環境、家族構成など個別性を重視したプランを立案しています。
主に外来個別栄養相談、入院栄養相談、透析室訪問栄養相談、心臓リハビリテーション個別栄養相談等を実施しています。具体的な相談内容は、生活習慣病(糖尿病やその予備軍、脂質異常症など)や透析を受けている方への食事相談、高血圧や心臓病の方への減塩食についてなどです。
集団栄養相談(現在休止中)
心臓リハビリテーションの一環として、月に1回リハビリ室での栄養に関する集団教室を実施しています。また個別でも栄養相談を行っています。医師、看護師、理学療法士、管理栄養士など多職種での連携を図り行っております。
情報通信機器を使った栄養相談
診療報酬改定により、情報通信機器を使用した栄養相談を開始しました。まちなと在宅クリニックへ通院されている患者様とタブレットを使用し遠隔で栄養相談を行ったり、COVID-19の治療で入院された患者様に対し、非対面での食事・栄養相談を行っています。
栄養サポートチーム(NST)
2020年3月より栄養サポートチーム(NST)を立上げ、現在週1回の回診を行っています。食欲不振、褥瘡、低栄養について多職種で知恵を出し合うことで、早期改善に繋げられるよう日々努めています。又、スタッフの知識向上を目的とし、月1回NST勉強会も開催しています。
入院中の食事
<行事食>
行事食の提供を行っており、患者様にお食事を楽しんで頂ける工夫を心がけております。
<串刺し食の提供>
治療後安静が必要な患者様へご希望に応じて、串刺し食を提供しています。箸やスプーン等を使用せずに食べやすい様、おにぎりや串に刺したおかずを提供しています。
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<自助食器の提供>
「自分で食べる」をサポートするため、手の麻痺や効き手が使えない患者様に、食べこぼしを予防するため、自助食器及び自助スプーンを導入しています。
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<ソフト食の提供>
高齢の患者様が増加しており、入院患者様のニーズに合わせてソフト食の導入を開始しました。開始にあたり、病院栄養士、給食部門の栄養士・調理員、病棟スタッフと協働し、試作及び試食会を行いました。
更に、食札に献立名を印字することにより、患者様や介助スタッフがメニューを認識出来る様な工夫も施しました。
<災害用備蓄食>
当院では、急な災害が発生した場合を想定し、7日分の非常食(患者食のみ)を備蓄しています。これまでは栄養課のみで管理していましたが、急な災害時は看護師等、多職種の協力が必要となります。2023年度より、改めて備蓄食品の運用方法・保管場所の周知、備蓄庫の整理整頓、非常食の試食会を開催し、急な災害に備えて準備しております。