近年我が国においては地震、津波、大雨による未曽有の災害が続いており、猛威を振るった新型コロナウイルス感染症も災害としてとらえることができます。災害時における初期救急医療体制の充実強化のみならず“事業継続計画(BCP; Business Continuity Plan)”の策定は病院としましても必須となります。
当院は、人口約11万5000人の浦添市にあり、沖縄県より救急指定病院に指定され、循環器疾患および透析治療を中心に診療をおこなっています。また、長期療養病棟には透析患者、人工呼吸器患者を積極的に受け入れています。BCP策定にあたり、循環器疾患、透析治療を中心に行っている救急指定病院であること、長期療養病棟があること、また、コロナ禍においてコロナの患者受け入れを積極的に行った事を念頭にBCP策定を行いました。社会的な要請に応えるためだけでなく、不測の事態が発生し、自ら被災する中で、その被害をいかに最小限にとどめ、限られた医療資源を用いて迅速に最善の対応を図る重要な取り組みであることを強調します。
大地震等の自然災害、感染症のまん延、テロ等の事件、大事故、サプライチェーン(供給網)の途絶、突発的な経営環境の変化など不測の事態が発生しても、重要な業務を中断させない、または中断しても可能な限り短い期間で復旧させるための方針、体制、手順等を示した計画のことです。